都内としては贅沢な敷地に、母屋と並んで建つ木造家屋の建替えです。
建替えに際し必要な既存家屋と大谷塀の解体に際し、材として使えるものは一旦保存し、ヒノキの柱梁やケヤキの床板は刻んで天井仕上げに、繊細な欄間は天井に、大谷石の塀は庭石に、再利用しています。
屋根はシンプルな入母屋形式で、この入母屋を開口とし、南に迫った高い庭木からの木漏れ日が室内に落ちることで、庭側のカーテンを閉めていても庭を感じられる天井の高い空間となります。
入母屋屋根部分は将来的に増床可能なよう計画しており、母屋に越してくる子供世帯4人家族がそう遠くない未来に改築して住めるようにしています。
隣の母屋に合わせて設定された床が庭の地面から高く遠いので、軒を張り出させ五葉松を軒下に取込んだり、テラスも軒から吊り、元の庭石を潜り込ませて庭との距離を近づけています。
塀だった大谷石を庭石として敷いて、庭で遊ぶ孫たちにとっての庇の深い東屋のような場所として設計しました。
延床面積:70.92m2
設計期間:2016年7月-2017年5月
見積期間:2017年3月-5月
施工期間:2017年6月-12月
設 計:富永大毅建築都市計画事務所
構造設計:DIX
外構設計:オイコス造園計画研究所
施工会社:前澤工務店
photo Takumi Ota