路地テラスの家 / House with alley terrace

東京の細長い路地の奥、再建築不可の旗竿敷地に建つ、小さな木造平屋の過半未満の修繕である。隣には母屋があり、路地に他にも住宅が接しているため旗竿部分は専有地でありながら見捨てられている。しかしこの路地を歩いて家に帰ってくる体験も唯一無二のもの。そこで母屋との間に平屋を一部減築するような形で、この路地を貫通させた半外部の”路地テラス”をつくり、左官の外壁も中へと連続させることで、路地の体験と南北に抜ける卓越風を家の中に取り込むようにした。

切妻屋根は南半分の天井を撤去して丸太梁を表しにしつつ、野地板を30mm厚の八溝杉の厚板に変えることで準防火地域の延焼ラインでも表しにして建蔽率内の軒を伸ばした。これにより北側のアプローチが”路地テラス”を介して南東角のキッチンを中心にU字状に南の”縁側テラス”に抜ける。



また構造補強に垂木材を束ねた壁を使用しており、土間から雁行して配置することで、構造的なバランスを確保しながら、奥に導くような構成をつくった。60㎡と小さな延床面積ながら、引き戸で仕切れば4つの個室がつくれる、コロナ以降の世界で老夫婦が家にずっといても居場所があちこちにあるように設計した。

設計期間:2020年11月-2021年7月
見積期間:2021年9月-11月
施工期間:2021年12月-2022年7月(解体含む)

所在地 :東京都
主用途 :専用住宅
施 工 :前澤工務店
階 数 :1階
延床面積:61.47㎡(改修部分)
構 造 :木造在来
竣 工 :2022年7月
写 真 :中山保寛