Hiroki Tominaga – Atelier

片流れの家 / shed roof house

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「片流れの家」
世界遺産に制定された富士山の裾野に抱かれて立つセカンドハウスである。森が深く頂部こそ見えないが、真南に望む勾配のある森は全て富士山という敷地。屋根の高いところをロフトとして使いたいという要望もあったので、南の富士山方向に敬礼をするような片流れの屋根が自然に選ばれた。
一方で片流れの屋根にすると、冬に雪が降ると全て北側に落ちてエントランスはほぼ雪に埋まってしまう。そこで片流れ屋根というひとつの様式を、雨や雪を片側に落とすための板という形式に捉え直し、片流れの勾配を変えることなくパキパキと折り込んでいくことで雨・雪の落とし方をデザインし直すことを提案した。こうしたパラメーターが明快なデザインにすることで、施主も積極的にデザインに参加しやすくなるが、色々な意見を取り入れても尚デザインとして成立する。
こうした可塑性のある屋根のデザインにより、エントランス部は山型に折れることで雨や雪を玄関脇に落とす。谷状に折ったところでは駐車場からずれた大きな窓の脇に雪をまとめることができるし、雨の日は谷を落ちる雨水をぼーっと眺めることもできる。また室内においては、天井の高さが変わったり、大きな空間の中に屋根が折れ込んで現れてくることで、空間がゆるやかに分節され、使われ方が見出されていった。
オーセンティックな片流れの屋根に操作を加えているうちに、破風が雨や雪を玄関先に落とさないために発生した意匠だということにふと立ち戻ったりする。こうした合理主義とロマン主義を横断するようなもののつくり方の先に、新しいオーセンティシティを見出す可能性を感じている。

延床面積:112.06㎡
設計期間:2012年4月末-2012年3月中旬
見積期間:2013年3月中旬-2013年6月初旬
施工期間:2013年6月初旬-2014年5月初旬
設  計:富永大毅建築都市計画事務所
施工会社:堀内建築

all photos Takumi Ota