屋根型の住宅 / house of roof shape

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バブル期のマンションの1室を改修して、両親と子ども二人が暮らす居場所に改修する計画。子どもはまだ小さく常に目の届くところにいて欲しいので、子ども部屋をつくっても、向こう10年は物置きになってしまいます。そこで子どもが大きくなるまで未完成の壁をつくることを提案しました。既存の薄い壁に直行する壁を立てると同時に、十字に交わる新旧二つの壁を方形の屋根型でくり貫いています。
メゾネットの下の階では上とは逆に壁が天井との間で屋根型に切り取られ、天井まで達しない未完の台形の壁を作っています。子供の視線からすると、背が伸びることで、今まで見えなかった壁の先の風景がある日突然見えるようになったり、それまで頭をぶつけなかったところに頭をぶつけるようになったりします。子どもが頭をぶつけるようになる頃が未完の壁の完成時期です。屋根型に抜かれた壁は閉じられて、リビングと子ども部屋を分ける屋根型の壁となり、それまでの10年の記憶をそこに残していきます。

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アフター神山邸

住宅特集2014年2月号掲載

延床面積:90.37㎡
設計期間:2013年3月末-5月中旬
見積期間:2013年5月中旬-6月初旬
施工期間:2013年6月初旬-8月初旬
設  計:富永大毅建築都市計画事務所
施工会社:前澤工務店

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