八雲賞講評会2019


本年度も運営している首都大OBによる首都大卒業設計講評会=八雲賞の講評会が無事終了しました。(写真は龍郎さんから拝借)
運営にかかわるようになってから3年くらいたつけど
今年もなかなか皆さんいい立ち位置で講評してくださって
八雲の元締め的な佐々木龍郎さんがその立ち位置を際立たせていたように思います。

審査員は以下6名。(卒業年順敬称略)

・石川 静(1993年卒)/ 三菱地所設計
・小山 光(1994年卒)/ KEY OPERATION
・古澤 大輔(2000年卒)/ 日本大学理工学部建築学科専任助教/リライト_D
・廣瀬 健(2003年卒)/ Hour-Design
・許 光範(2005年卒)/ G ARCHITECTS STUDIO
・浜田 晶則(2010年卒)/ 浜田晶則建築設計事務所


司会 佐々木 龍郎(1987年卒)/ 佐々木設計事務所

今年はとにかく宿泊施設が多くて、パッケージ化してるインテリア的なリゾートの現状に対し、
建築家がやったらどうなるか、みたいな案が多くてきちんと社会を捉えているなあと感心した反面、
同時に1人になりたいみたいな話が多く、SNS社会に疲れてるように映った。

結果として評価された2案は、自分の興味から設計手法を開発するタイプ。
1人は文章で1人は書道。実際の計画への展開に留まらず、AIやVR的な展開も感じさせるもの。
他分野に建築の面白さを翻訳するものにもなっており、現代の卒業設計のあり方としては素晴らしいと思った。

もうひとつ今の卒業設計らしいと可能性を感じたのは、数つくる方法
大きいものをどーんとつくるのではなく、10とか100とかつくった上でその中に方法論を見出すみたいなやり方。
量には説得する力がある。

いずれも建築以外の興味を尖らせておいて、それと建築を掛け合わせた方がいいと感じた。

あとみんな卒業設計が終わったら、そろそろ大きな講評会に出す以外の発信の仕方を考えた方がいい。
102個を毎日Twitterやインスタでアップし続けるでもいいし、
架空のWEBサイトを立ち上げて旅日記的に発信していくでも、音楽作るでも、
自分なりの発信方法を身に着け
それを日常化することで、いつまでも自分の興味から目を逸らさず
さらにブラッシュアップしてほしい。

設計とは
①自分の興味を明らかにして
②その面白さを言語化した上で
③それをディベロップするのに一番やりやすいスタディ方法を考え
④形にしては批評を繰り返し
⑤繰り返される作業の中で見つけられた最適と思われる形を目指す

ことであると、今年度教えてきたことを振り返って自分自身が身に染みました。

まだ残っているものもあるけれど。。


最終講評の動画を鹿内がアップしてくれています。


2019-02-12