1日目はこちら
2日目朝は海岸線を飛ばしてクラゲドリーム館 /日本設計。
帝京小で苦楽を共にした藤田さんの担当。
アムステルダムっぽい造形。
iphone無修正でこのクオリティのクラゲ写真が撮れるということで有名な水族館です。
大繁盛してます。
この水族館が建築的にいいのはクラゲの部分ではなく、アシカショーの賑わいをらせん状に上がりながら見下ろせるところ。
1番上まで行くとロの字状に回遊できる丘があり、これが周辺ともきちんと呼応していて楽しい。
設計が上手い。
水族館運営としてもクラゲの餌やり、アシカショー、ウミネコの餌やりと、
ソフト面でもかなり満足度が高く人が集まっている。
出るころには駐車場満杯になっている水族館を出て、さらに海岸線を北上して酒田市へ向かう。
途中近くにはビーチと建物の構造関係が独特すぎる湯野浜温泉。
どう見ても猿の惑星(オリジナル)のラストシーンである。
酒田市美術館。1997年 池原義郎。山形はどこも桜が綺麗で良かった。
しかし、こんなに贅沢な美術館はどこにもない。
一枚一枚面取りした杉板型枠により、コンクリートが全部出目地になっている。
構造的にはコンクリート壁の上に鉄骨の薄い立体トラスが乗り、トラス部分がハイサイド窓になっている。
とにかく庭が凄くて、室内にいるのか森の中にいるのか分からなくなってくる。
ガラスのステンレス方立ても小口面だけミラーに磨かれてたり、本当にバブルの所業。
外構もずっと手が入れられていて、本当にありがとうございます。っていうクオリティ。
天井架構を模したセキュリティ用の扉。カッコ良すぎる。
休憩室。ガラスマリオンが鏡面仕上げで、写真にすると森に消える。
今まで見たことある中で1番贅沢でイケてる。トイレなんだぜ?これで。
個室壁はオニキス自立。
駐車場のトイレも全く手が抜かれてなかった。
酒田市といえば谷口さんだけ見てしまう人が多いみたいだけど、絶対見てほしい建築。
今回の旅のハイライトのひとつ。
学部2年の頃に課題でアクソメを書いて大好きになって以来、実は1度も来たことなかった土門拳記念館 /谷口吉生
窓が段々と大きくなるの覚えているぞよ。八重桜も満開で最高。
コンクリートはつり壁なのは分かっていたが、トイレまでやるか。。
光格天井。床が絶妙に一段下がっていて、すぐに行けないところが谷口建築らしさ。
展示室から池に張り出した部分へ向かう動線。写真美術館らしい暗から明のグラデーション。
大興奮のまま池をぐるっと周り、そのまま隣接した体育館へ。
軒裏から採光可能な酒田市国体記念体育館。1991年/谷口吉生。ガエハウスのネタ元説は当時から。
軒裏採光のみで結構明るい。張弦梁を含む鉄骨のエメラルドグリーンが本当に効いてる。
体育館のホワイエ的空間。ここも自然採光だけで十分明るい。
結構傷み始めていたが、自然採光によるランニングコスト削減みたいな話は長寿命化に寄与しているのだろう。
明治時代の米蔵の名残り山居倉庫。今は部分的に資料館やお店になってる。
西側に植えられたケヤキが夏の日射と冬の季節風を防いだという。
断熱と通気に配慮した二重屋根の切妻が連なる。
ここもほとんど使われおらず、勿体ないと思ってしまうのは東京的観点かしら。
本間家の別邸などを見たのち、一路鶴岡市へ。
ホール建築らしい特別感と親しみやすさが両方あった荘銀タクト鶴岡/鶴岡市文化会館/SANAA
広葉樹の多い山形で何故スギのルーバーなのかは謎だけど、とにかく床のコンクリートが艶があって大理石の巨石のよう。
ホール部分のコンクリートの塊に対してまとわりつくたくさんの屋根の間に洞窟的な空間が生まれている。
上に上がれば上がるほど、洞窟感が生まれていく感じ。
非対称のホールの壁も倒れたりしてるなか階段を上がったりする体験がなかなか楽しい。
どうやったらこういう設計が解けるのか謎。
円柱が1番細く丸い梁でつながれた上にH鋼根太が乗る構造。ねじれやすい。
山形といえば 擬洋風建築だよねってことで、致道博物館の 旧西田川郡役所 で2日目終了。入母屋の上に時計塔。
3日目につづく