四重の庇と四重の裳階がついたような外観
新しい住宅の可能性として、生活スタイルの可変性、不動産としての流通の容易さに配慮し、可能な限りスケルトン渡しに近い住宅を想定します。
スケルトン状態の楽しさを最大化するために、五重塔や大仏殿のような木造の大架構建築の持つ可塑性と空間性に着目して、現代住宅に応用しました。
敷地に建設可能ななるべく大きなボリュームを立て、4層分の床と天井のための架構を細い構造材の重なりとして用意します。
狭小敷地であるので、床を積み上げると、ほとんどの機能は層ごとに分けることが可能になります。
最下層にLDK、最上部に水回りを用意すれば、2層で最低限の生活は事足りて、整然とした架構の重なりとその間から漏れる光を見上げる高さ7.1mの吹き抜け空間となります。
2層目をSOHOスペースに、ロフト扱いの3層目を寝室や収納として編集すれば、容積をフルに活用した不動産として扱うことが可能です。
最下階と最上階に水回りを置き、その間には自由に床が張れるような組物が用意されている
最下階キッチン+ダイニング
最下階:組物の影が落ちる
2層目に床を張った状態
上階を見上げる。裳階はライトシェルフとして機能。
機械換気の集まる水回りを最上階に
斜線でセットバックしたボリューム
敷地面積:63.98㎡
建築面積:35.6㎡(55.64%)
延床面積:98.9㎡(154.6%)
設計期間:2013年4月末-5月末
設 計:富永大毅建築都市計画事務所