森の光の家/House of Forest Light

違法建築/非接道の空き家を改修したいという話があり見に行くと、高基礎で持ち上がった家があった。大工だった施主の父が建てたそうで、行ってみると申請上は木造2F建てなのに4F建てになっている。申請図を見てみると驚いたことに周囲に盛られた土によって申請上は合法で、違法なのは持ち上げられた1F床下の束を抜いて空間化していることと、屋根裏を階にしてしまったこと、それに伴う高さ方向のちょっとした増築であった。これに対して、現状からの変更を申請不要な工事として、高さを減らして斜線をかわし、階を2Fより増やさず、主要構造部へのタッチを過半未満とすることで、合法に近づけつつ改修する方法を考えた。(ただし申請不可能なので合法化は証明ができない)
結果としてスパンに対して脆弱だった1Fの床をある程度落とし、床下の土間空間を活かしながら、2層近い天井高と、もともと1Fにあった高窓を活かした空間となった。壁がなくなった部分は高基礎を活かして片筋交いを飛ばすことで対応すると、基礎を幹とした木のような架構となり、高窓から光が入ってくる、森のような空間となった。外壁も既存の窓を活かしつつ、不要なバルコニーは撤去して下屋的な小さな屋根をかける手がかりとした。
負の資産と思っていたものをプラスに転じる。一般社会が音を上げる一見どうしようもない変な躯体ほど、丁寧にひも解くと面白くなるというのも、現代の建築家ならではの仕事であると実感する。


2026-08-10