古くから建つ鉄骨造の母屋があり、その駐車場部分に道路車線と北側斜線を避けながら、2F建ての新築をつくるプロジェクト。間口こそ11mあるが、奥行きは2間しかなく、4mの前面道路の向かいにも隣家が立ち、奥も1mの空地を挟んで、両親が住み、自らも一部を使う母屋が立つ状況である。
延床面積74㎡のこの環境でなるべく広さを感じてもらうため、スキップフロア状の床で空間をつなぎながら、その床を斜めにカットし、対角方向に視線が抜けるような体の向きを設計した。
フローリングはこれに合わせて斜めに並べられるが、架構は合理性を考えると短辺方向に垂直に並ぶ。この架構を天井に表すことで、植物がつくる痕跡の多様なベクトルに挟まれて人の暮らしをレイアウトすることになり、限られた空間でも自然な自由さを感じられるのではと考えた。大梁に対して、105角で227.5mmピッチで並ぶ小梁を逆梁のように表し、木材を量で使いながらその方向性を強調するとともに、吸湿吸音性の高い仕上げとすることを考えた。屋根は棟木を柱で支え、小梁を同様に密にして登り梁とすることで、かかる力を分散して、量を見せながら抽象的な架構の実現を目指した。
要件に対してどういう架構を用意するといいのかは合理的な判断が優先されるが、どう表すといいのかは五感を刺激する判断になる。これが木造の面白さだと思っている。





















