【都市】ハノイ 1- 混沌の中の美しい調和

ベトナムはハノイに小旅行に行ってきました。とても面白い街で、19世紀までフランスの植民地だった影響で、官庁街の建物を始め古典的な建築様式が多く、押しなべて皆黄色い。(写真はオペラハウス)

この黄色はフランスにとって南方であるという表現するために用いられたというのが、非常に興味深いところ。(マルセイユの建物を見るとわかり易いが、元々南フランスの建築には黄色いオークル石でできているものが多い)様式だけでなく色ですら本来の起源を忘れてしまっている。

元々中国の少数民族が逃げ込んだような国でもあるので、文化的には中国に起源があるものが多いのですが、面白いのは日本の帝冠様式のようにフレンチ・コロニアル様式に木造古来の建築様式を組み合わせたインドシナ様式というスタイルがしばしば見られるところ。代表的なのが歴史博物館(写真)柱頂部もオーダーなのか組物なのか、外回りもバシリカなのかベランダなのかもよく分からない、様式に対するドライなスタンスが文化的な混沌を感じさせます。

ほとんど旧市街にしかいなかったのですが、街に目を向けると、物価に対して土地は相当高く、間口で税金が決まってくるようで、建物は軒並み間口が狭く奥にも縦にも細長い。そして最上階にはベランダがあるというのがベトナムらしいスタイル。


とにかく季節的には一番いい時期に行ったようで、それほど暑くなく雨にもさほど降られず快適で、屋外で過ごすのが何より好きな僕にとっては最高でした。ほとんど外建具がないというのもベトナムならではの建物のあり方。


2014-10-24