Hiroki Tominaga – Atelier

引出しの家 / drawer house

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某住宅メーカーによる、家具から考えるというお題の建売住宅プロトタイプコンペ案。前回ラディカルさが足りずに負けた感じがしたので、今回はちょっと攻めてみました。最終選考まで残りましたが惜しくも敗戦したアイディアです。

家具から住宅を考えると、どうしても家具が建築化されてしまいがち。
しかし、家具の最大の魅力は動かせることにあるというのが、この提案のスタートポイント。
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キャッチコピーは「毎日が模様替え」

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まず矩形の住宅の中央に家具を集約する。
家具は左右に引き出して使えるデザインとする。
引出した先に広いスペースが必要な場合は外壁を引出してさらに空間を増やす。

というルールを設定しました。
その中でどういう家具が引出されると生活が可能か、いろいろスタディした結果
下のような引出し家具のセットができていきました。
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この家具をどう引出すかによって、
ひとつながりの空間になったり、
プライバシーを確保できたり、
大きな空間をつくったり
秘密基地のような空間がつくれたり
バリエ

というように毎日毎時家の平面が変わっていくという提案。
デザインの可塑性だけでなく空間にも可塑性を与えてしまおうという
ちょっと行き過ぎの提案でした。



プレゼンは好評でしたが、案の定この重たい家具をそんなに頻繁に動かせるのか
という技術的な問題を指摘されました。
そこで開き直って(笑)僕としては実際に動かすのではなく
こういう家具と空間の関係のあり方を設計段階に落とし込んで
施主と家づくりのコミュニケーションを図る手法として使えないかと投げかけました。
つまりあらかじめ家具のセットをデザインし、それをがらんとした空間の中で
どの辺に置いたら楽しいかを動かしながら設計するような住宅のつくり方ができないかと。

議論は非常に盛り上がりましたが当然コンペは負けました(笑)
デザインを定量化して多くの人にコミットしてもらうためのトライは今後も続けていきたいと思っています。