反り屋根の富士塚 / “Fujizuka” with warped roof

メインパース

富士宮の富士山世界遺産センターコンペの応募案です。
コンペは坂茂さんが勝利しました。Andozaka COINで一緒に働くアーオ建築事務所坂山毅彦建築設計事務所との共同設計として提出しました。
富士山外形_v2010 [更新済み]
北斎や広重が描いた富士山の勾配を実際の富士山のそれと比較してみると、私たちが心の中でいかに富士山をデフォルメしているかがよくわかります。
私たちが提案する世界遺産センターはこうした心の中の富士山のカタチを大きな屋根に変換することで生まれる“地形のような屋根”が、山のような風景をつくりながら、訪れる人を包み込む空間を目指しました。
内側から見ると、マグマが上がるように室内の温まった空気が上部にいくほどスムーズに排出される断面であり、自然換気に大変有効です。また、火口をトップライトに見立て、これを間接光として利用すると、富士山の内部のような室内は適度な自然光で満たされます。
展示室2
大きな屋根を外側から見ると、富士山のようなひとつの生態系にも見えてきます。裾野はかなり緩勾配になるので、溶岩樹形のような多孔質の素材を使うことで植物が育てやすく、植栽と水分の蒸発による遮熱効果が生まれます。

展望台

屋根の上に飛び出してみると、屋根は富士登山の空間そのものです。屋根の上につづら折で登れるスロープや、山の斜面につくられた最上部の展望台からは、浅間神社の本殿と富士山を同時に眺めることができます。照りのある大屋根は、浅間神社の参道脇にも馴染む伝統的寺社建築にも見られるボキャブラリーであり、部分的に緑化された屋根は、富士宮や静岡の新しい観光スポットとなる、現代の富士塚として位置づけられます。

ボードウォーク

pa-sugun

kozo

敷地面積:7,300㎡
延床面積:4,300㎡(59%)
設計期間:2014年1月-2月
設  計:アーオ建築事務所+坂山毅彦建築設計事務所+富永大毅建築都市計画事務所
構造設計:江尻建築構造設計事務所