片流れの家 / shed roof house

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世界遺産に制定された富士山の裾野に抱かれて立つセカンドハウスです。森が深く頂部こそ見えないが、真南に望む勾配のある森は全て富士山という敷地。屋根の高いところをロフトとして使いたいという要望もあったので、南の富士山方向に敬礼をするような片流れの屋根が自然に選ばれました。
一方で片流れの屋根にすると、冬に雪が降ると全て北側に落ちてエントランスはほぼ雪に埋まってしまいます。そこで片流れ屋根をパキパキと折り込んでいくことで雨・雪の落とし方をデザインし直しています。エントランス部は山型に折れることで雨や雪を玄関脇に落とし、谷状に折ったところでは駐車場からずれた大きな窓の脇に雪をまとめることができるし、雨の日は谷を落ちる雨水をぼーっと眺めることもできます。また室内においては、天井の高さが変わったり、大きな空間の中に屋根が折れ込んで現れてくることで、空間がゆるやかに分節されています。

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新建築住宅特集2015年11月号掲載

延床面積:112.06㎡
設計期間:2012年4月末-2012年3月中旬
見積期間:2013年3月中旬-2013年6月初旬
施工期間:2013年6月初旬-2014年5月初旬
設  計:富永大毅建築都市計画事務所
施工会社:堀内建築

all photos Takumi Ota