Hiroki Tominaga – Atelier

【旅行】大分②別府~湯布院~大分~別府


朝起きると前日の予報を裏切って雨は止んでいる。いろいろな天気予報アプリを総合判断した結果、今日は走れるということに。まずは海側から見ても温泉の湯気がもくもくと立ち上がっている鉄輪温泉エリアへ。

とにかく湯気が幅を利かせている。向こう側に車がいたらどうするんだと思うが、ありがち。みんなが歩くような観光エリアみたいな道でも車がガンガン通るのが大分的。道路にあまりヒエラルキーが感じられない。

とりあえず少しだけ地獄めぐりということで、どの地獄がいいか画像検索した結果、海地獄が一番ヒットしたという理由で海地獄へ(笑)。さすがに全部回るほど暇ないわ。

地獄なのに極楽感満点な温室のオオオニバスがすごい。20キロくらいなら乗るらしい。乗ってみたい。

そこから湯布院へヒルクライム。側溝がありトラックも結構通るので決して走りやすくはない。途中展望台で休憩したりしつつなんとか峠を越えると盆地の中に湯布院の町が見える。

湯布院へ下る道は由布岳が完全に草原で最高に気持ちいい。

*末田美術館/原広司(1981)

末田夫妻のための住宅兼美術館。遠隔地過ぎたのか管理料の問題か、原さんが監理できず、ご夫婦が自ら監理されたが、完璧に図面通り立ったといううらやましい建物。

いろいろな意匠要素が複雑に絡み合うポストモダニズム建築なワケですが、結構良さが分かってしまう。ポストモダニズム建築というのが観察者しか相手にしていなかったからダメになったワケですが、一流の観察者になった今、その良さはよくわかってしまうことには危機感を感じる(笑)。が、楽しい。

内観は撮影が禁じられていたのですが外観から想像つかないような白くてミニマルな空間にアートが置かれている。湯布院では必見の建物です。

*由布院駅 / 磯崎新 (1990)

思い返すとこの薄いボールトをたくさん見た旅だった(笑)。ボールトが薄いがためにSUSワイヤーでテンションをかけている。地震で割れたというガラスも修復されてました。

ホール部分天井の見上げ。ワイヤーも含めて構造がかなり繊細。

ぐるっと回ってみると、薄いボールト天井でリニアなボリュームは電車っぽいという気づきを建築化したことがよくわかる。

昼飯食べて温泉に浸かる。
街歩きをしたかったけど、平日なのに原宿か!って思うほどの人出。よく見ると中国人、韓国人の観光客で埋め尽くされていて諦め、大分へ下る。約30キロ。
湯布院ではそれほど地震の影響を感じなかったけど、走っていると突如として爪痕が現れる。


*大分県立美術館OPAM/坂茂(2015)


ポストモダニズム脳になっているためこの2層構成が受け付けない(笑)。実際の建物は3F建て。

新国立美術館を思わせるロビーの広さ。右側の展示室の壁も動くし、左のカーテンウォールも動く。空間のスケールも含めて、地方都市には冗長的すぎやしないか(笑)。

2Fに上がるとカフェや図書室になっている。床と天井の木のコントラストが抜群によい。この2Fの天井がこの巨大な空間を成立させている気がする。

カフェは紙管だらけ。テーブルの天板のクオリティは、もう少し空間の質を優先させてもよかったような気になる。
3Fに上がると、伊東さんのメディアコスモスのような天井のロビー。展示室内はフラットな天井。強い坂さんと優しい坂さんが同居する感じ。人柄に触れたことがないからなんともわからないけれど。

*アートプラザ(旧大分県立図書館) / 磯崎新 (1967)

初期の代表作にして学会賞作品賞。OPAMから2ブロックくらいのところにあるアートプラザ。メタボっぽいヒエラルキーのある構造要素と動線空間が混濁していてなかなか全体を理解するのが難しい。が、とにかく強い思いでつくられているのを感じる。

館内は美術の展示もあったが、さすがに全部見る時間はない。おずおずと受付で、あのー建築見に来たんですけどーというと快く3Fの展示室に案内してくれる。磯崎さんの模型がたくさん並んでいて楽しい。

吹き抜けから大階段状のホールを見下ろすブリッジ。こういう空間が多かったな。ポストモダニズム的な要素。とはいえ、図書館だったことが想像しにくい。

要素が上に行くほど大きくなる構成。写真にしてみると建物のボリュームが分かりにくくなる。


*新大分県立図書館(豊の国情報ライブラリー) / 磯崎新(1995)


割と静か目な住宅地にどーんと現れる。まずもって大きい。

エントランスホール天井。これはちょっとカッコいい様式の抽象化。竣工年から考えても設計時にもバブルは終わっていたように思うけれど、かなりのゴージャス感。

2Fの開架スペース。内観はRCの細いラーメンにドーム天井が乗るだけのシンプルな構成。自然光もいいけど、間接照明が素晴らしい。カッチリした建築にぎりぎり憧れた世代だからこういうの弱いのね(笑)。

一転、書棚は場所によってグリッドに対して45度降られていて自由を感じさせる。

3Fブリッジ部分。もうシンメトリーのこと好きになってしまいそう(笑)。

点字ブロックの点がフローリング部分も石部分も自作っていう(笑)。SUSより安いのかもしかして?

ディテールがこっているけれど構成はシンプル。シンプルだけどちゃんと印象的な空間をつくっていて、なおかつ家具レイアウトレベルでそのシンプルな構成を壊していく。
結構シンパシーを感じられる建物と思いました。外部との関係はどうかと思うけれど。

夕日の沈む中10kmくらい海岸沿いを走ると海越しに別府の町が見えてくる。斜面に張り付いた建物の明かりと、時折上がる湯気がとても綺麗だったので、これは夜景が見たいねということになり、それならビーコンプラザいくしかないでしょう!と急きょ延長戦。


*ビーコンプラザ グローバルタワー/ 磯崎新 (1995)

見上げるとこんな。2本の太い丸柱にEVと階段が収まってる。なんと展望料300円。みんなもっと来たらいいのに。

展望台が2層になっていて、下から上に上がる階段が完全に天国への階段。

下から見た全体の構造を思い出しつつ見ると余計怖い。忘れていたけど、高所恐怖症なんです。上棟した自分の建物とかはすいすい上るんだけども。。。

しかも上がるとSUSワイヤー天井(オープンエアー)。もう外に投げ出されてる気分。地震来たらどうしよう。あー怖い怖い。

しかしなかなかの眺めでした。もう少し早い時間に上れればなと。

ということで2日目はほとんど雨に降られず95キロ走破したので夕飯は熟成肉で焼き肉で締め。筋肉が喜んでいる(笑)。アブアブ。

3日目に続きます